本記事では覚えると周りと差がつく必修編(その他)のExcelショートカットをご紹介いたします。
必修編(その他)
今回ご紹介するショートカットはいずれも知名度は低いですが、実務でかなり使えるものばかりになります。周りと差をつけたいなら是非覚えておきたい項目となります。
ということで必修編(その他)のショートカットを以下の通り一覧にしました。
必修編(その他)
操作名 | ショートカットキー |
①連続データの作成 | ALT H F I S |
②条件を指定して選択 | ALT H F D S |
③全てクリア | ALT H E A |
④重複の削除 | ALT H A M |
解説・補足
【①連続データの作成】
連続データの作成とは、ⅰ.1234・・・やⅱ.1357・・・など規則をもった(ⅰは1ずつ増加、ⅱは2ずつ増加)連続する値をセルに連続して入力する機能です。
実際にやってみましょう。
例えばA1セルからA10セルまでの連番を作成したい場合を考えます。
まずは下図のようにA1セルに1と入力し、A1からA10セルまでを範囲指定します。
次にショートカットキーALT H FI Sを押下します。
すると以下のようなポップアップ画面が出てきます。
範囲は連続データを作成する方向です
今回は縦に連続データを作成したいので列を選択します。
種類と増分値と増加単位は連続データをどのような規則で作成するかを決めるものです。(2倍ずつ連続データを作成したい場合は種類:乗算の増分値:2を、日付データで3月毎に連続データを作成したい場合は種類:日付、増加単位:月、増分値:3を選択します。)
今回の場合は1ずつ増加する連番を作成したいので、種類加算の増分値1を選択します。
Enterを押すと以下の通りA1からA10セルに1~10の連番が作成されました。
表等に連番を打ちたい場面は多々あると思いますが、このショートカットを使えば一瞬で連番をふることができます。是非覚えておきましょう。
【②条件を指定して選択】
条件を指定して選択とは、数式や値やコメントやオブジェクトなど条件を指定して選択する機能です。
例えば以下の表は入力欄に値が、小計欄合計欄に数式が入力されています。
このような表で小計欄合計欄の数式を消さずに、入力欄のみを選択してDeleteしたいと思ったことはないでしょうか?この機能を使えば、値が入力されている入力欄のみを選択することができます。
具体的にみていきましょう
まずは下図のように表全体を選択します。
選択した状態でALT H F D Sと押下します。
すると以下のようなポップアップが出てくるので定数の数値にチェックを入れます。
チェックを入れる際もマウスを使わずに、矢印とスペースキー(もしくはO X G Eを押下)でチェックを入れていきましょう
チェックを入れ終えたらEnterを押下します。
すると以下のように値が入力されている入力欄のみが選択されています。
その状態でDeleteを押すと入力欄を全て消すことができます。
この機能は他にも用途がたくさんあります。
例えば、数式の抜け漏れをチェックする際に数式のみを選択すると、数式が抜けているところが無いかチェックすることができます。
また空白セルがある行を削除したいときに空白セルのみを選択し、行の削除のショートカットキーALT H D Rを押下すると簡単に空白セルの行を削除することができます。
このように色々な場面で使えてかなり費用対効果の高いショートカットなので是非覚えるようにしましょう。
【③全てクリア】
これは単純に選択セルの全てをクリアする機能です。全てというのは値、書式、コメントのことです。ちなみにDeleteキーで削除できるのは値のみです。
通常、値に加えて書式やコメントも全てクリアしたい時はセルの削除を実施しているでしょう。もちろんセルを削除しても良いのですが、実は良くない場面もあります。セルの削除と全てをクリアの大きな違いは参照が維持されるか否かです。削除したいセルを参照している別のセルがあった場合、セルを削除してしまうと、そのセルを参照していたセルの数式が壊れ、エラーが表示されます。これは参照するセルが消えてしまったから、エラーとなるのです。一方で全てクリアであれば、セル自体は生きていますので、エラーは起こりません。このように削除したいセルを参照している別のセルがある場合などは、全てクリアを実行することで数式を壊さないようにすることができます。少し小難しい話と思いますので、余力があれば頭に入れておく程度で大丈夫です。
【④重複の削除】
重複の削除とはその名の通り表などで重複する値があった場合に削除してくれる機能です。
以下の表はB列の支店名にいくらかの重複が存在します。
この重複を削除したいと思います。
まずは表全体を選択します。
そこでALT A Mと押下します。
そうすると表の先頭行を除いた状態で選択され以下のようなポップアップが表示されます。
先頭行も選択したい場合はポップアップの「先頭行をデータの見出しとして使用する」のチェックを外します。今回は見出しとして使用するためチェックを入れたままにします。
重複を削除したい列にチェックを入れOKを押下します。今回は支店名の列の重複を削除します。
そうすると以下の通り重複が削除された表が作成されました。
一つ注意としては重複を削除した後は値の集計はされません。
例えば、支店名の横の列の売上高という項目は重複が削除されたあとは、集計結果が表示されているのではなく、一番最初の行にあった値が残っているだけです。
この機能をよく使うシーンをご紹介します。私の場合SUMIF関数を使う時によく使います。例えば以下の表で支店別の売上合計を出した表を作りたいと思ったとします。
まず支店名の列をコピーします。
CTRL+Nで新しいブックを作成し、先ほどコピーした列を貼り付けます。
ALT A Mで重複を削除します。
SUMIF関数を使い先ほどの表の売上支店別に集計していきます。
そうすると以下の通り支店別の売上合計を出した表が完成します。
このように膨大のデータの中で重複のないデータがどれだけあるのかというのを調べるのに使える機能となります。こちらも大変便利な機能となっておりますので是非覚えておきましょう。