大企業の経理の仕事内容って何をやっているのかイメージしづらくないでしょうか?本記事では私が実際に大企業の経理で行っている仕事内容について紹介します。転職を考えている方等は何となく仕事のイメージが掴めると思います。
目次
大企業の経理の仕事内容。
私が実際に大企業の経理で行っている仕事をご紹介します。
私は現在とある営業所に勤務しており、その営業所における経理業務の一部を担っています。具体的には以下のとおりです。
営業所内の売上管理
・売上計画の策定
・売上適正計上のチェック
営業所内の売掛金の管理
・売掛金回収計画の策定
・売掛金回収のフォロー
・取引前の与信判断
・売掛金の効率化施策検討
上記の通り主に売上と売掛金の管理を行っています。営業マンたちが日々取引先に販売している案件の売上について金額や時期が正しく計上されているかをチェックしたり、売上後の代金回収が出来るだけ早くできるように取引先と有利な契約を結ばせたり、取引先に支払い遅延を起こさせないようフォローしたりしています。
また会社の経営陣が会社全体の売上やキャッシュフローの見込みを把握するために、各営業所に対して営業所内の売上見込みとキャッシュフロー見込みを立てろと指示をしてきます。そのため年に数回売上の計画と売掛金回収の計画を立てています。
売上と売掛金回収計画の策定
自分の業務の中で一番ウェイトの高い仕事がこれです。(大体5割ぐらいを占めます。)
売上の情報は営業マンたちが個別に握っているため、営業マンたちとの連携が必要な仕事です。具体的な手順としては以下の通りとなります。
・営業マンたちに現時点で握っている売上の情報とその取引先と回収条件を提供してもらう。
・提供してもらった情報を集計し計画のベースを作る。
・例年の規模や業界の市況などを見ながら、未確定案件を上澄みしていく。
・早期売掛金回収施策を案件ごとに検討していく。
取引前の与信判断と売掛金効率化
売掛金の管理において一番最悪のケースは販売先の会社が倒産してしまい、お金が回収不能となってしまうことです。その最悪のケースを避けるために、取引をする前に取引先の財務状況をチェックしています(与信判断)。具体的には信用調査会社に依頼し財務状況のレポートなどを入手して判断することになります。
売掛金効率化とは売掛金を色々な手段を使い早く現金化することです。例えば、売掛金自体を金融機関に売却し早期に現金化したりする手段などがあります。勿論、額面通りで売却はできないため、早期の現金化にはコストが発生します。費用対効果を見ながら効率化施策を検討していくのが仕事です。
そのほかにも細かい仕事は色々とやっていますが、主には上にあげたものになります。
大企業の経理の特徴
業務が分業化されている
上記のとおり、私の仕事は幅広い経理業務の中でもほんの一部分しか担当していません。
大企業は事業の規模も人数も拠点数も多いため、業務がかなり細かく分業化されています。そのため仕事の幅は非常に狭いです。人事異動がなければその狭い範囲の仕事を延々と繰り返していくことになります。
スペシャリストは少ない
大企業の経理の人はスペシャリストが少ない印象です。どの分野もある程度知っているぐらいの人が多くいます。
私の仕事もそうですが、高い専門性が必要となる場面はそれほど多くありません。社内には判断の手助けとなる資料やマニュアルがたくさん用意されており、基本的にはそれらを使っていけば自分で調べながら仕事を進めていけます。そしてどうしても困った際は社内に弁護士や税理士や会計士の人もいるため、その方々に相談することもできます。
システム化が進んでいる
大企業の経理はシステム化が進んでいます。
例えば営業所であれば、売上の管理を主に行っており、決算の時は売上勘定を確定させる必要があるのですが、営業マンが売上管理システムに入れた売上情報がそのまま会社の決算システムに流れてくるため、営業マンが正しく情報入力さえできていれば何もせずに決算終了です。簿記の仕訳も自動で行われます。経理の仕事は入力を間違えないよう営業マンを指導することや、間違いが起きた時に修正をかけることが主となります。
また売上や売掛金回収計画を作成するとき等に必要な情報はだいたいシステムからCSVファイルでダウンロードすることができます。
分業化されているため、どこに配置されるかによって業務が異なる。
当然ですが業務が分業化されているため、配置場所によって業務が全く異なります。
また基本的にはジョブローテーションがあるため、数年おきに全く違う業務を覚え直していくことになります。
大企業経理に求められる人材
スペシャリストよりもジェネラリストを重視
どちらかというとスペシャリストよりもジェネラリストが求められていると考えます。
大企業の経理は分業化とジョブローテーションが特徴のため、数年おきに全く違う業務をやらされる可能性があります。そのためある程度色々な業務に対応できる知識や柔軟性が求められると考えます。但し、当然のことながら柔軟性に加えて専門性も兼ね備えていれば最高です。専門知識があるに越したことはありません。
経理知識に加えてシステムにも強い。
経理は考えることだけでなく、作業もたくさんあります。エクセルなどが得意であれば、作業時間をぐっと減らせることができます。またシステム化が進んでいるが故に、システムの流れがブラックボックス化して誰も理解できていないようなことがあります。そのため、エラーが起きたときやシステム改訂を行う際に苦労をすることがしばしばあります。システムに強いと、そういう場面で活躍が出来るため重宝される存在です。
職場に馴染める。
経理は出張も少なく内勤がほとんどです。
職場のメンバーとはほぼ毎日同じ事務所で何時間も顔を合わせることになります。
そのため、雇う側としても今の職場にちゃんと馴染めるかというところはよく見ている印象です。もちろん入社もしていないのに職場の雰囲気など掴めるはずがないので対策の仕様はないですが、どんな職場にも馴染める人当たりの良さがある人は大きなアドバンテージであると考えます。